トピツクス

◎規制動向

平成29年1011日の第43回原子力規制委員会で「原子力発電所敷地内での輸送・貯蔵兼用乾式キャスクによる使用済燃料の貯蔵に関する規制要求の考え方」が審議されました。詳細は関連資料を御覧ください。規制庁は、この規制委員会で了承されたことから年内には規則等を策定することを説明しています。

〇前これを受け、1年遅れの平成30年12月5日の第45回原子力規制委員会で「原子力発電所敷地内での使用済燃料の貯蔵に用いられる兼用キャスクに係 る関係規則等の整備及びこれらに対する意見募集の実施について」が審議され、意見募集を行うことを決定した。NEW!

第45回原子力規制委員会におけるトピツクス2点紹介します。詳細は関連資料議事録をご覧ください。

(1) 仏国原子力安全局で確認された原子炉容器等における炭素偏析の可能性に係る調査の結果等について 

今年の春ごろから、仏原子力施設に使用されている原子炉容器の材料に炭素の偏析があり、靭性値が低いことが問題になっていました。日本の鍛造メーカ(JCFC)の材料も使用されており炭素の偏析が認められたことから、日本の規制委員会も、日本の同種設備の材料にも偏析があるのではないかと問題視していたものです。結論は、仏国原子力安全局で確認された原子炉容器等における炭素偏析の可能性に係る調査の結果、我が国の原子炉容器、SG、加圧器に使用されている鍛造品、板材には炭素偏析はないと評価されるとのことで問題なしとのことでした。

 

(2)  規制基準等の見直しに係る課題と対応について 

 IRRSの指摘の一つに、現在の規制基準に、原子力安全委員会の指針や内規がそのまま取り込まれており、最新の科学的・技術的知見に基づく見直しを求められていたこと。105日の規制委員会で田中委員長や他の規制委員からの乾式貯蔵の技術基準の見直しの指示を踏まえ(議事録を読むと耐震基準が過度に保守的ではないかという趣旨の指摘をしている)、「原子力発電所内の使用済み燃料の乾式キャスク貯蔵について(平成4827日原子力安全委員会了承)」の見直し作業を早期に開始することを決定した。